最近、アメリカで企業の破産申告がじわじわと増えていることが話題になっています。
とくに2025年7月には71社が破産を申請し、これは新型コロナ直後の2020年以来、もっとも多い件数だと報じられました。
今年1月から7月までの累計でも、同時期としては2010年以降で最多となっており、景気の先行きに注目が集まっています。
背景にある「高金利」と資金繰りの難しさ
アメリカではインフレを抑えるために高金利政策が続いています。
金利が高止まりすると、企業は資金調達にかかるコストが増し、返済の負担が重くなります。
とくに中小企業や資本力の弱い企業は影響を受けやすく、結果として破産に追い込まれるケースが増えているのです。
一方で、アメリカの消費動向もやや鈍化してきており、売上が伸びにくい環境にあります。
資金繰りが厳しくなる一方で収益も伸び悩む…そんな二重苦が、破産増加の背景にあるといえます。
「危機」ではなく「淘汰」の一面も
ただし、この動きを「経済危機」ととらえる必要はありません。
専門家の中には「むしろ市場の健全化が進んでいる」と見る意見もあります。
体力のない企業は淘汰され、残った企業がシェアを拡大するという構図は、アメリカ経済では珍しくありません。
実際に、雇用市場は依然として堅調であり、景気全体が崩れている兆しは見えていません。
つまり「破産件数の増加=すぐに大不況」というわけではなく、今はまだ局所的な動きと考えられます。
日本への影響は?
アメリカ経済は世界とつながっているため、企業破産の増加も無関係ではありません。
とくに米国企業と取引のある日本企業にとっては、リスク要因のひとつになります。
とはいえ現時点では「警戒するべきサイン」程度であり、過剰に不安視する必要はないでしょう。
まとめ
2025年7月のアメリカ企業破産は71社で、2020年以来の高水準
高金利や消費鈍化が背景にあり、中小企業を中心に影響が広がっている
ただし景気全体の崩壊ではなく「淘汰の一面」とも捉えられる
日本への直接的な影響は限定的だが、今後の動向は注視が必要
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「不況の始まり?」と身構えるほどの状況ではありませんが、アメリカ経済の変化は世界に波及するだけに、チェックしておきたい話題です。