秋は過ごしやすい気候にもかかわらず、「朝が起きづらい」「昼間に眠気が強い」と感じる人が少なくありません。
実はその原因のひとつが、日照時間の短さによる体内時計の乱れです。
特に秋口は、夏から冬へと移り変わるタイミングで自律神経も揺らぎやすく、睡眠リズムが崩れやすい季節。
この記事では、秋特有の眠気やだるさを引き起こすメカニズムを解説し、光の取り入れ方を中心とした改善策を紹介します。
秋になると眠気が増える理由|日照不足と体内時計の乱れ
人間の体内時計は、太陽の光によってリセットされます。
夏に比べて日照時間が短くなる秋は、朝の光が弱まり、体内時計が後ろにずれやすくなります。結果として、
朝の目覚めが悪い
昼間も眠気が残る
夜に寝つきが悪くなる
といった症状が出やすくなるのです。
さらに、仕事や学校のスケジュールは変わらないため、体のリズムと社会生活のリズムがズレて「社会的時差ボケ
メラトニン分泌のリズムが崩れる仕組み
睡眠をコントロールするホルモン「メラトニン」は、光によって分泌が調整されています。
朝に強い光を浴びると分泌が抑制され、体が覚醒モードに切り替わる
夜になると分泌が高まり、眠気を誘発する
ところが、秋は朝の光量が不足するため、メラトニン分泌のスイッチが切り替わりにくくなります。
その結果、「日中も眠気が続く」「夜に寝つきが悪い」といった状態に陥りやすいのです。
朝の光を浴びて体内時計をリセットする方法
秋の眠気対策で最も効果的なのは、朝に光を取り入れることです。
ポイントは「短時間でも強い光を浴びる」こと。
具体的には、
起床後すぐにカーテンを開けて自然光を取り入れる
出勤前に5〜10分の散歩をする
朝食は窓際やベランダでとる
人工照明よりも太陽光のほうが体内時計の調整効果は大きく、短時間でも効果があります。
どうしても朝に外へ出られない場合は、光量の強いデスクライトを使うのも有効です。
昼間の過ごし方で眠気を抑えるポイント
秋は昼間も光量が弱いため、室内にこもっていると眠気が増してしまいます。
そこで、昼間に意識して光を浴びることが重要です。
昼休みに10分程度外に出て光を浴びる
短時間の昼寝を15〜20分以内にとどめる
午後遅くのカフェイン摂取は避ける
特に昼寝は「15〜20分以内」にすると、夜の睡眠に悪影響を与えず、午後の集中力アップにもつながります。
夜の習慣を整えて深い眠りにつなげる工夫
夜は「光を減らすこと」が快眠へのカギです。
スマホやパソコンのブルーライトはメラトニン分泌を妨げるため、眠りを浅くしてしまいます。
就寝1時間前にはスマホやPCを控える
照明は暖色系の間接照明に切り替える
入浴は寝る90分前を目安にすると、深部体温が下がって眠りやすくなる
さらに、寝る前に読書やストレッチなどのリラックス習慣を取り入れることで、副交感神経が優位になり、深い眠りにつながります。
秋の快眠は“光リズム”の工夫で変わる
秋は日照時間の短さから体内時計が乱れやすく、眠気やだるさを感じやすい季節です。
しかし、朝に光を浴びる、昼間に外へ出る、夜は照明や入浴でリズムを整えるといった習慣を意識すれば、睡眠の質は大きく改善します。
季節特有の不調は生活のちょっとした工夫で防げるもの。光のリズムを味方にして、秋を快適に過ごしましょう。
秋の眠気は、日照時間の減少による体内時計の乱れだけではありません。
実際には、気温差や生活習慣の変化も大きな要因となっています。
光のリズムを整えるだけでは改善しきれないと感じた方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。